
こんにちは。出戻りランサーです。
仕事をしていると、改めて大事だと思うことがあります。
それは、バランス感覚です。
特にPMOという立場では、このバランス感覚がかなり重要だと感じます。
PMOは、プロジェクトを前に進めるために、進捗を確認し、課題を整理し、関係者に働きかける立場です。
場合によっては、マネージャに近い役割を担うこともあります。
だからこそ、時には厳しいことを言わなければならない場面もあります。
ただし、厳しいことを言う必要があるからといって、最初から強く出ればよいわけではありません。
特に新規顧客や初めて入る現場では、相手の反応を見ながら、強弱をつけてコミュニケーションを取る必要があると思っています。
PMOは時に厳しいことも言う立場
PMOの仕事は、単に進捗表を更新したり、会議の議事録を取ったりするだけではありません。
プロジェクトの状況を見て、問題があれば見える化する。
遅れがあれば確認する。
課題が放置されていれば、対応を促す。
認識がズレていれば、関係者の間に入って調整する。
こうした動きが必要になります。
そのため、時には耳の痛いことを言う場面もあります。
「このままだと遅れます」
「この課題は放置できません」
「この進め方だと後で問題になります」
「関係者間で認識が合っていません」
「決めるべきことが決まっていません」
こういうことを言わなければならないのがPMOです。
PMOが遠慮しすぎて、問題を問題として扱えなければ、プロジェクトは悪化します。
なので、必要な場面で言うべきことを言う力は大事です。
ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、
厳しく言うこと自体がPMOの価値ではない
ということです。
正論を言えば動くわけではない
PMOをやっていると、正論を言いたくなる場面は多くあります。
進捗が遅れているなら、遅れている。
課題が未解決なら、未解決。
報告が足りないなら、足りない。
認識合わせができていないなら、できていない。
状況だけ見れば、言うべきことは明確です。
ただ、現場は正論だけでは動きません。
正しいことを言っているつもりでも、相手からすると、
「急に外から来た人が強く言ってきた」
「現場の事情を分かっていない」
「こちらの文化を無視している」
「一方的に押し付けられている」
と受け取られることがあります。
特に新規顧客の場合は注意が必要です。
こちらはまだ、その会社の企業風土を知りません。
現場の人間関係も分かりません。
これまでの経緯も分かりません。
誰がどこまで権限を持っているのかも、最初は見えづらいです。
その状態で、いきなり強く主張しすぎると、内容が正しかったとしても、受け入れられないことがあります。
仕事では、正しさだけでは足りません。
相手が受け取れる形で伝えること
も必要です。
新規顧客では、まず現場を見る
新しい現場に入ったとき、私はまず観察が大事だと思っています。
どういう会議の進め方をしているのか。
誰が発言力を持っているのか。
課題に対して前向きな文化なのか。
問題を隠しがちな文化なのか。
強い言い方が通じる現場なのか。
やわらかく伝えた方が動きやすい現場なのか。
こうしたことを見ます。
同じPMOの指摘でも、現場によって受け取られ方は違います。
ある現場では、はっきり言った方が信頼されます。
別の現場では、いきなり強く言うと警戒されます。
だからこそ、最初から自分のやり方を押し出しすぎない方がよいと思っています。
もちろん、遠慮しすぎて何も言えないのも問題です。
ただ、最初から全力で踏み込むのではなく、相手の反応を見ながら、少しずつ強弱を調整する。
このバランスが大事です。
外部から入る立場だからこそ、押し付けに見えやすい
PMOは、外部から支援する形で現場に入ることも多いです。
その場合、どれだけ経験があっても、最初は「外から来た人」です。
外部の人間がいきなり、
「このやり方はよくないです」
「こう変えるべきです」
「管理が甘いです」
「もっとこうしてください」
と言えば、現場の人からすると反発が出るのは自然です。
こちらとしては改善提案のつもりでも、相手には批判や否定に見えることがあります。
特に、長くその現場で働いている人からすれば、これまでの経緯があります。
簡単に変えられなかった理由もあるでしょう。
現場なりの事情もあるはずです。
それを理解しないまま正論をぶつけると、
「何も分かっていないのに言われた」
と思われても仕方ありません。
だからこそ、外部から支援する立場では、まず相手の状況を理解する姿勢が必要です。
厳しさは、信頼関係があってこそ届く
厳しいことを言うこと自体は、悪いことではありません。
むしろ、プロジェクトを守るためには必要なことでもあります。
ただし、厳しい言葉は、信頼関係がないと届きづらいです。
信頼されている人から言われれば、
「確かにそうかもしれない」
と受け取ってもらえることがあります。
でも、信頼関係ができていない人から同じことを言われると、
「何でそんなことを言われなければならないのか」
と反発されることがあります。
言っている内容は同じでも、誰が言うか、どのタイミングで言うか、どう伝えるかで、結果は変わります。
PMOとしては、ここを軽視してはいけないと思います。
厳しいことを言う必要があるなら、なおさら普段の関係作りが大事です。
普段から話を聞く。
相手の事情を理解する。
小さな相談に乗る。
一方的に指摘するだけではなく、一緒に整理する。
相手が動きやすい形に落とし込む。
こうした積み重ねがあるから、必要なときに厳しいことも言いやすくなります。
PMOに必要なのは「管理」だけではない
PMOというと、管理する人と思われることがあります。
もちろん、進捗管理、課題管理、会議運営、資料作成など、管理的な仕事はあります。
ただ、PMOに本当に必要なのは、管理表を作る力ではありません。
現場を見て、相手を見て、状況に合わせて関わり方を変える力。
つまり、バランス感覚です。
強く言うべき場面では言う。
ただし、最初から押し付けない。
相手の反応を見る。
企業風土を見る。
現場の温度感を見る。
動かし方を調整する。
この感覚がないと、PMOはただの管理押し付け役になってしまいます。
それでは現場は動きません。
PMOは、現場を責めるためにいるのではありません。
プロジェクトを前に進めるためにいます。
伴走する意識が大事
私がPMOとして大事だと思っているのは、伴走する意識です。
伴走とは、相手の代わりに全部やることではありません。
相手を上から管理することでもありません。
相手の状況を見ながら、必要なところで支援し、一緒に前に進めることです。
プロジェクトには、いろいろな事情があります。
忙しくて手が回っていない人もいます。
課題は分かっているけれど、どう整理すればよいか分からない人もいます。
報告が苦手な人もいます。
調整が苦手な人もいます。
悪気はなくても、結果として遅れてしまう人もいます。
そういう人たちに対して、ただ厳しく言うだけでは、あまり意味がありません。
「なぜできていないのか」を見て、
「どうすれば進むのか」を一緒に考える。
これが伴走だと思います。
もちろん、いつまでも甘くするという意味ではありません。
必要であれば厳しいことも言います。
ただ、その厳しさは、相手を責めるためではなく、プロジェクトを前に進めるためのものであるべきです。
バランス感覚がないと、正しいことも伝わらない
仕事では、正しいことを言っているのにうまくいかない場面があります。
その原因の一つは、伝え方のバランスを間違えていることです。
最初から強すぎる。
相手の事情を聞かない。
現場の文化を見ない。
自分のやり方を押し付ける。
正論だけで詰める。
これでは、相手は動きづらくなります。
反対に、弱すぎても問題です。
遠慮しすぎる。
問題を見て見ぬふりする。
言うべきことを言わない。
曖昧なまま進める。
これもプロジェクトにとっては良くありません。
だから、仕事はバランス感覚なのだと思います。
強すぎてもダメ。
弱すぎてもダメ。
相手に合わせすぎてもダメ。
自分を押し出しすぎてもダメ。
状況に応じた、ちょうどよい関わり方を探る必要があります。
まとめ
PMOという立場では、時に厳しいことを言わなければならない場面があります。
進捗が遅れている。
課題が放置されている。
関係者の認識がズレている。
このままではプロジェクトが危ない。
そういうときに、言うべきことを言うのはPMOの役割です。
ただし、特に新規顧客や初めて入る現場では、最初から強く主張しすぎるのは危険です。
企業風土も分からない。
現場の事情も分からない。
人間関係も分からない。
その状態で正論を押し出しすぎると、一方的な押し付けに見えてしまうことがあります。
だからこそ、仕事を任されている立場として、バランス感覚が必要です。
相手の反応を見る。
現場の温度感を見る。
必要に応じて強弱をつける。
信頼関係を作る。
そのうえで、言うべきことは言う。
PMOに必要なのは、正しさを押し通すことではありません。
現場と伴走しながら、プロジェクトを前に進めること。
そのためには、厳しさと柔らかさの両方が必要です。
そして、その使い分けこそが、仕事におけるバランス感覚なのだと思います。