
こんにちは。出戻りランサーです。
今回は、なぜマネージャーは育ちにくいのかという話を書いてみます。
数値として何か明確な根拠を持っているわけではありません。
ただ、PMOとしてプロジェクトに関わってきた中での感覚値としては、
マネージャーになる機会はそんなに多くないし、マネージャーは育ちにくい
という傾向があるように感じています。
理由はいくつかありますが、特に大きいのは、
- そもそも“なれる機会”が少ない
- 大丈夫そうな人しか任命されにくい
- コミュニケーションやマインドセットは教えにくい
- 自分で気づいて修正できる人が少ない
このあたりです。
マネージャーって、経験を積めば自然に育つもののように見えることがあります。
でも実際には、そんなに単純ではないんですよね。
今回は、その理由を整理してみます。
そもそもマネージャーになる機会が少ない
まず大前提として、
マネージャーという役割は、そもそも全員が順番に経験できるものではありません。
プレイヤーは人数分必要です。
でもマネージャーは、そんなにたくさん要りません。
つまり、最初から
席数が少ない
んですよね。
しかも、その限られた席に誰を置くかとなると、組織は当然慎重になります。
- この人なら大丈夫そう
- チームが崩れにくそう
- 周囲との関係も悪くなさそう
- ある程度安心して任せられそう
こういう人が選ばれやすい。
つまりマネージャーって、
育成のために一回やらせてみる役割
というより、
ある程度できそうな人を選んで任命する役割
になりやすいんですよね。
この時点で、まず機会がかなり限られます。
もちろん、えいやっと決められてしまうこともありますけどね、
結果は・・・ご想像にお任せします。
優秀なプレイヤーが、そのままマネージャー候補にされやすい
マネージャーが育ちにくい理由として、
プレイヤーの延長で考えられやすい
のも大きいと思っています。
現場で成果を出している人がいると、
- この人は仕事ができる
- 周りからの信頼もある
- だからマネージャーもできるのでは
となりやすい。
もちろん、それ自体は自然な発想です。
でも実際には、
- 自分で成果を出す力
- 人を通じて成果を出す力
はかなり別物です。
プレイヤーとして優秀でも、
- 人を見られるか
- チームの空気を整えられるか
- 負荷を配分できるか
- 言いにくいことを言えるか
- 判断を持てるか
はまた別の話です。
それなのに現場では、
役割転換として育てるというより、
優秀なプレイヤーに管理を追加する
形になりやすい。
これだと、マネージャーとして育つ前に、
プレイヤー業務と新しい責任の板挟みになりやすいです。
マネージャーに必要な力は、見えにくく教えにくい
ここはかなり大きな課題だと思っています。
マネージャーに必要なのって、見えやすい部分だけで言えば
- 会議を回す
- 進捗を見る
- 報告する
- 評価する
- 数字を見る
あたりです。
でも本当に大事なのは、むしろ見えにくい方です。
たとえば、
- 人の変化に気づく力
- 問題を早めに拾う力
- 関係性を壊さずに言う力
- 認識をそろえる力
- 空気を見ながら整理する力
- 自分の感情を持ち込みすぎない力
- 他責で止まらない力
このあたりです。
ただ、こういうものって、かなり教えにくい。
手順書化もしづらいし、
一回説明したら身につくものでもない。
結局、本人の気づきや経験の咀嚼が必要になります。
だからマネージャー育成って、
知識を教えるだけではうまくいかないことが多いんですよね。
コミュニケーションやマインドセットは、座学だけでは育ちにくい
コミュニケーションやマインドセットの醸成に自分で気づき、成長させられる人は少ない
たぶんマネージャーもPMOも、根本的に重要な部分は
- コミュニケーション
- マインドセット
- 他者理解
- 自責
- 視座
- 認識合わせ
- 問題への向き合い方
に寄っていきます。
でも、こういうものは
- 研修を受けたからできる
- 本を読んだから身につく
- 上司に言われたら変わる
とは限りません。
結局は、
- 自分の言い方はどうだったか
- 今の受け取り方は雑ではなかったか
- 相手の立場をちゃんと見ていたか
- 自分が逃げていないか
- 問題を先送りしていないか
みたいなことを、自分で振り返って修正していく必要がある。
でも、そこまでやれる人はそんなに多くない。
だからこそ、マネージャーは育ちにくいのだと思います。
経験しただけでは、マネージャーとして育つとは限らない
ここも大事だと思っています。
よく、
- 経験を積めば育つ
- 何年もやれば分かる
- 場数を踏めばマネージャーになれる
みたいに言われることがあります。
もちろん、経験は大事です。
でも実際には、経験そのものより
経験をどう咀嚼するか
の方が大きい気がしています。
同じようにマネージャーをやっていても、
- 自分の課題を見ている人
- 周囲のせいで止まる人
では、伸び方がかなり違います。
たとえば、トラブルが起きた時に
- 自分に見落としはなかったか
- 事前に拾えなかったか
- どういう伝え方なら違ったか
と考えられる人は伸びやすいです。
逆に、
- 部下が弱い
- 現場が悪い
- 上が悪い
- 忙しいから仕方ない
だけで終わると、経験年数のわりに変わりにくい。
つまり、
マネージャーは経験年数で育つというより、内省の質で育つ
面が大きいのだと思います。
とはいえ、自分がカバーしきれない(外部要因)こともあるとも思います。
「大丈夫そうな人しか任命しない」が、逆に育成機会を減らしている面もある
少し皮肉なのですが、
組織が慎重になるほど、マネージャー候補の裾野は狭くなります。
- 崩れそうな人には任せない
- 怪しい人にはやらせない
- 無難そうな人だけに任せる
これは理解できます。
現場を壊したくないからです。
ただ、このやり方だと
最初から大丈夫そうに見える人しか育つ機会を得にくい
ということにもなります。
つまり、
- やってみて伸びる人
- 最初は不器用でも気づいて変われる人
- 経験を通じて強くなる人
が、そもそも試されにくい。
結果として、
マネージャーは育成されるものというより、
最初からそれっぽい人だけが残るもの
になりやすいです。
この構造も、育ちづらさの要因につながっている気がします。
マネージャーは“管理技術”より“人間理解”の仕事になりやすい
自分がPMOとして見ていて感じるのは、
マネージャーって結局、
管理技術だけの仕事ではない
ということです。
もちろん、
- 進捗管理
- 課題管理
- 会議運営
- 数字の把握
は必要です。
でも、実際に難しいのはその先です。
- 何を問題として扱うか
- どこまで踏み込むか
- 誰にどう伝えるか
- どこで支えるか
- どこで任せるか
- 相手の温度感をどう見るか
このあたりは、かなり人間理解に寄ります。
しかも、人間理解はすぐには身につきません。
本人が人に興味を持つこと、失敗から学ぶこと、自分を疑うことが必要になります。
だから、マネージャーってやっぱり育ちづらいんだと思います。
それでも育つ人は、“自分で気づいて直せる人”だと思う
じゃあ、どういう人が育ちやすいのか。
自分はやはり、
自分で気づいて直せる人
だと思っています。
- 今の言い方はよくなかったかも
- あの会議の進め方は雑だったかも
- このメンバーへの見方が浅かったかも
- 自分が抱えすぎていたかも
- 問題の見方が偏っていたかも
こういうことを、自分で振り返れる人です。
完璧である必要はないと思います。
でも、自分を全く疑わない人は、かなり伸びにくい。
逆に、不器用でも
- 気づく
- 修正する
- また試す
を繰り返せる人は、少しずつ強くなる気がします。
人の意見を素直に受け止められる人も育ちやすさ影響すると見ています。
結局、マネージャー育成って、
誰かが一方的に育てるというより、
本人が自分で育つ力を持てるか
がかなり大きいんだと思います。
最後に
自分は、マネージャーになる機会は多くないし、マネージャーは育ちづらいものだと思っています。
理由は、
- そもそも機会が少ない
- 大丈夫そうな人しか任命されにくい
- プレイヤーの延長で扱われやすい
- 必要な力が見えにくく教えにくい
- コミュニケーションやマインドセットは本人の気づきが必要
このあたりです。
特に、コミュニケーションやマインドセットのような
“人間的な土台”
が必要になるのに、そこを育てる仕組みはあまり強くない。
これがかなり大きい気がしています。
だからこそ、マネージャーは経験年数だけでは育ちにくいし、
最終的には
自分で気づいて、考えて、修正できる人が強い
のだと思います。
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