40代ITキャリア

プレイングマネージャーは“理想の役割”ではなく“都合のいい役割”かもしれない

こんにちは。出戻りランサーです。

今回は、プレイングマネージャーに限界を感じる理由。なぜ今も求人が多いのかという話を書いてみます。

自分は前から、プレイングマネージャーという役割にはかなり無理があると感じています。

これは外から見てそう思っているわけではなく、
自分自身もプレイングマネージャーに近い立場を経験したことがあるからです。
実際にやってみると、プレイヤーとして手を動かす時間と、
マネジメントとして人や全体を見る時間の両立はかなり難しいと感じました。

どちらも中途半端にしたくなくても、構造的には時間が足りなくなりやすい。
だからこそ、自分はこの役割を求められると限界を感じてしまいます。

なぜなら、プレイヤーとしての動きと、マネジメントとしての動きは、似ているようでかなり別物だからです。

  • 自分で成果を出すこと
  • 人やチームを見て整えること

この2つは、両方ともそれなりに時間がかかります。
しかも、どちらも片手間でやると質が落ちやすい。

それなのに、今でも求人を見るとプレイングマネージャー前提の募集はかなり多いです。

正直、割を食いやすい役割だと思っています。
それでもなぜ、未だに根強く求められるのか。

今回は、そのあたりを整理してみます。


プレイヤーとマネジメントは、そもそも別の役割を持っている

まず前提として、自分は
プレイヤーとマネジメントは別の仕事
だと思っています。

現実問題として、全てのマネージャーがプレイングマネージャーではありませんよね?

プレイヤーに求められるのは、

  • 自分で手を動かす
  • 成果物を出す
  • 納期や品質を守る
  • 目の前の課題に対応する

ことです。

一方でマネジメントに求められるのは、

  • チームの状況を見る
  • 人の負荷や進捗を調整する
  • 問題を早く拾う
  • 判断材料を整える
  • 育成や役割分担を考える

ことです。

つまり、見ている対象が違います。

プレイヤーは、自分の仕事を前に進めることが中心。
マネジメントは、チーム全体が前に進む状態を作ることが中心です。

どちらもちゃんとやろうとすると時間がかかるし、頭の使い方も違います。
だからこそ、自分は両立しづらいと感じています。


プレイングマネージャーが苦しいのは、稼働時間が足りなくなりやすいから

プレイングマネージャーがしんどい理由は、かなりシンプルです。

時間が足りない。

これに尽きると思っています。

プレイヤーとして成果を出そうとすれば、

  • 自分の作業時間が必要
  • 集中する時間が必要
  • 細かい確認や対応も必要

です。

一方でマネージャーとして機能しようとすると、

  • 相談を受ける
  • 会議に出る
  • 状況を把握する
  • トラブル対応する
  • メンバーを見る
  • 他部署と調整する

ことが必要になります。

これ、どちらも“空いた時間でやる”には重いんですよね。

プレイヤー業務が忙しければ、マネジメントが後回しになる。
マネジメント対応が増えれば、自分の作業が圧迫される。

つまり、プレイングマネージャーって、
どちらかをやればどちらかが削られやすい構造
だと思っています。


それでも求人が多いのは、企業にとって都合がいいからじゃないの?

では、なぜそんな役割が今も求められるのか。

自分は、理想的だからというより、
企業にとって都合がいいから
であることが多いと思っています。

まず大きいのは、人件費の問題です。

本来なら、

  • 手を動かす人
  • チームを見る人

を分けた方がいい。

でも、分けるとその分コストがかかります。
だから企業からすると、
一人で両方やってくれた方が安い
わけです。

言い方は悪いですが、
プレイングマネージャーって、
一人二役を期待しやすい便利な存在
なんですよね。

その結果、求人としては今でもかなり残りやすいのだと思います。

個人的には、その分対価を相場の2倍出す。
ぐらいの誠意を見せて頂けるのであれば求人を出すことは構いません。

対価の2倍にこだわりがあるわけではありませんが、
その職種の市場相場と同額でプレイングマネージャーを募集するのは結構厳しくないかな。
というのが私の考えです。


「管理だけする人」を置きたくない空気もある

日本の現場では特に、
管理だけしている人
への風当たりが強いことがあります。

  • 自分では何も作っていない
  • 現場感がない
  • 口だけに見える
  • 管理ばかりしているように見える

こういう見られ方をしやすいです。

そのため企業側も、
「自分でも手を動かせる管理職」
の方が現場に受け入れられやすいと考えがちです。

つまり、
マネジメントそのものの価値を、組織が十分信じていないこともある。

その結果として、
プレイングマネージャーが“ちょうどいい役割”として残りやすいのだと思います。


優秀なプレイヤーに、そのまま管理を足しがち

これもかなり多いと思います。

現場で成果を出している人がいると、
自然とその人に期待が集まります。

そして、

  • この人は仕事ができる
  • 周囲からも信頼されている
  • だからチームも見てほしい

という流れで、管理側の役割も乗ってきやすい。

ここで本来必要なのは、
役割の切り替えや、業務量の調整だと思います。

でも実際には、

  • プレイヤー業務はそのまま
  • そこにマネジメントも追加

になりやすい。

つまり、
昇進ではなく、仕事の上乗せ
になってしまうわけです。

これでプレイングマネージャーが生まれる。
かなりありがちな構図だと思います。


短期的には回ってしまうから、構造が見直されにくい

プレイングマネージャーの厄介なところは、
短期的には何となく回ってしまうこと
だと思っています。

  • 自分でも手を動かせる
  • 現場もわかる
  • 火消しもできる
  • チームも一応見ている

この状態だと、周囲から見ると
「ちゃんと回っている」
ように見えます。

でもその裏では、

  • 本人が疲弊している
  • 育成が後回しになる
  • 問題が属人化する
  • チームが自走しにくい
  • 判断や整理が後手になる

みたいなことが起きやすい。

つまり、
短期では便利に見えるけれど、
長期では歪みが出やすい構造です。

でも企業って、短期で回っている間はなかなか見直せません。
だからプレイングマネージャーの役割が残り続けるんだと思います。

一度成功したように見えてしまうと、その一見した成功だけに着目し、
その後の破綻はなかったか?
マネージャに過度な負担を強いていなかったか?
チームとして適切に回っていたのか?
このあたりを、確認できているかは別の問題だと思います。


割を食いやすいのは、成果責任が二重になるから

プレイングマネージャーが割を食いやすいのは、
成果責任が二重になりやすい
からだと思っています。

  • 自分の仕事でも結果を出さないといけない
  • チームの成果も見ないといけない
  • 問題が起きれば管理不足とも言われる
  • でも時間は増えない

しかも、うまくやっても当たり前になりやすい。

  • 自分が頑張って現場を回した
  • チームの問題も吸った
  • 火消しもした

それでも表に見えづらい。
逆に何か崩れると、

  • 管理できていない
  • プレイヤー業務も止まっている
  • チームも弱い

と見られやすい。

だから、かなり割を食いやすい役割なんですよね。


それでも向いている人はいる。ただし条件つきだと思う

もちろん、プレイングマネージャーが全員ダメだという話ではありません。

実際に向いている人もいると思います。

ただし、それはかなり条件つきです。

たとえば、

  • チーム規模が大きすぎない
  • 自分のプレイヤー業務量が調整できる
  • 任せられるメンバーがいる
  • 権限がある
  • 組織の役割分担が最低限できている

こういう条件なら、比較的成立しやすいです。

逆に、

  • 自分の作業量も重い
  • 管理責任も重い
  • 権限は弱い
  • チームも育っていない
  • 問題は全部自分に集まる

みたいな環境だと、かなり厳しいと思います。

なので、プレイングマネージャーが悪いというより、
成立条件がかなり限られる役割
なのだと思います。

本当は“何を分けるべきか”を考えた方がいい

個人的には、プレイングマネージャーを前提にするより、
どの役割を分けるべきか
を考えた方が健全だと思っています。

たとえば、

  • 何を本人が持つべきか
  • 何を委譲できるか
  • 管理と実務のどちらに比重を置くべきか
  • チーム規模に対して役割設計が合っているか

このあたりです。

プレイングマネージャーという言葉は便利ですが、
それで済ませると、
役割設計の雑さを見逃しやすい気がします。

本当は、
「その人が両方できるか」
ではなく、
その構造で無理なく回るか
を見るべきなんですよね。

個人的には案件募集には少なくともマネージャーとプレイヤーの作業比重は示して欲しいですね。
少なくとも自分は検討の候補にもなりません。

もし自分がそういう案件をあえて狙うなら、競合が少なそうなので勝負しやすい、
かつ短期だけ稼げればいいという考えかもしれません。(短期契約と短期撤退を狙う)

すぐに撤退しそうな人が欲しいのであれば別ですが、
長期的に安定して案件を回したいのであれば役割設計はした方がよいと思います。


最後に

自分はやはり、プレイングマネージャーには限界があると思っています。

なぜなら、プレイヤーとマネジメントは別の仕事であり、
どちらもちゃんとやろうとすれば時間が足りなくなりやすいからです。

それでもプレイングマネージャーの求人が今も多いのは、

  • 人件費を増やしたくない
  • 管理だけの人を置きたくない
  • 優秀なプレイヤーに仕事を足しがち
  • 短期的には回ってしまう

といった、企業側の事情が大きいのだと思います。

つまり、
理想的な役割だから残っているというより、
都合がよくて、短期的に成立しやすいから残っている
という側面が強い。

だからこそ、プレイングマネージャーという言葉だけで良し悪しを決めるのではなく、
その役割設計が本当に無理なく回るものなのかを見た方がいいと思っています。

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