
こんにちは。出戻りランサーです。
今回は、
人はなぜ、転職したいと言いながら転職を勧められると否定するのか
という話を書いてみます。
これ、一度は見聞きしたことがある人もいらっしゃるかもしれません。
- 会社の愚痴を言っている
- 上司や職場への不満を話している
- もう辞めたい、転職したいとも言っている
だからこちらが
「そこまでしんどいなら転職した方がいいのでは?」
と言う。
すると、急に相手が
- でも今すぐは…
- そこまでじゃない
- 他に行っても同じかもしれない
- いや、そういうことじゃなくて
と否定的になる。
正直、こちらとしては
「いや、さっき転職したいって言ってたじゃん」
となるやつです。
でも、これって別にその人がおかしいというより、
人間としてかなり自然な反応でもあると思っています。
今回は、その理由を自分なりに整理してみます。
「転職したい」は、必ずしも“転職を決めた”ではない
まず大前提として、
人が「転職したい」と言う時、それは必ずしも
本当に転職を決めている
わけではありません。
むしろ多くの場合は、
- 今の環境がしんどい
- 逃げたい気持ちがある
- でも本当に動く覚悟はまだない
- とりあえず気持ちを吐き出したい
このあたりのどこかです。
つまり、「転職したい」という言葉は、
転職という結論そのものではなく、
しんどさの表現
として使われていることが多いんですよね。
ここをそのまま
「では転職すればよい」
と受け取ると、会話がズレやすいです。
相手が欲しいのは“解決策”ではなく“共感”のことがある
これがかなり大きいと思っています。
愚痴や不満を言っている人が本当に欲しいものは、
必ずしも解決策とは限りません。
むしろその場では、
- つらさを分かってほしい
- しんどさを認めてほしい
- 否定せずに聞いてほしい
- 一回吐き出したい
という気持ちの方が強いことがあります。
その状態で
「じゃあ転職したら?」
と言われると、相手からすると
いきなり話を片付けられた
ように感じることがあります。
こちらは前向きに解決策を出したつもりでも、
相手の中では
- まだそこまで整理できていない
- 今は答えが欲しいわけじゃない
- 気持ちの段階を飛ばされた
となりやすいんですよね。
転職には“正しさ”より“怖さ”が勝つことがある
たとえ頭では
「この会社に居続けても厳しいかもしれない」
と分かっていても、転職はやっぱり怖いです。
- 今の環境を捨てること
- 次がうまくいく保証がないこと
- 年齢的な不安
- 新しい人間関係
- 収入が下がるかもしれないこと
- また失敗するかもしれないこと
こういう怖さがあります。
だから、人はしんどい現状を否定しながらも、
未知の変化を選ぶことには強い抵抗を感じます。
つまり、
- 今の会社は嫌
- でも転職も怖い
という、かなり普通の板挟み状態なんですよね。
この時に他人から
「転職した方がいい」
と言われると、相手の中では
怖さの方 が刺激されやすいです。
その結果、否定的な反応になります。
人は、自分で出していない結論には反発しやすい
たとえ本人が同じ方向をうっすら考えていたとしても、
それを他人から先に言われると、
急に受け入れにくくなることがあります。
なぜかというと、
人は自分で考えて自分で出した結論には納得しやすいけれど、
他人から与えられた結論には反発しやすい
からです。
転職のように、人生に大きく影響しそうな話は特にそうなりやすい。
- 自分の人生に関わる
- 自分が責任を取る必要がある
- 他人は結果の責任を取らない
だからこそ、
正しいかどうか以上に
自分で決めた感覚
が大事になります。
こちらがどれだけ合理的なことを言っていても、
相手がまだその結論に自分でたどり着いていないなら、
受け入れにくいのは自然です。
「転職したい」は、本音というより“揺れている途中の言葉”でもある
転職したいと言っている人の中には、
本音ではなく、
揺れている途中の言葉
として使っている人も多いと思います。
- 辞めたい気持ちもある
- でも残った方がいい気もする
- 環境を変えたいけど自信がない
- 誰かに背中を押してほしい気もする
- でも押されると嫌になる
かなり面倒ですが、実際にはこういうことってあります。
つまり、相手の中ではまだ整理が終わっていません。
その状態で
「転職すればいい」
と結論だけ先に出されると、
揺れている途中の人ほど防御反応が出やすいです。
「いや、そこまでじゃない」
「簡単に言わないで」
みたいになるのは、そのせいでもあります。
相手は“相談”しているようで、“感情の処理”をしているだけのこともある
ここはかなり大事だと思っています。
会話の表面だけ見ると相談っぽくても、
実際には相談ではなく、
感情の処理
をしているだけのことがあります。
たとえば、
- 今日の嫌なことを吐き出したい
- 理不尽だったことを聞いてほしい
- 自分のつらさを認めてほしい
- ただ共感してほしい
この段階では、まだ問題解決モードではありません。
でも聞く側は、つい真面目に受け取ってしまいます。
- しんどいなら転職では?
- その上司は変わらないのでは?
- もうその会社ダメでは?
と、答えを出したくなる。
すると相手は
「そういうことじゃない」
となる。
これは、どちらが悪いというより、
会話のモードがズレている
んですよね。
じゃあどう返すのがよかったのか
この手の場面では、いきなり結論を出すより、
まずは相手がどの段階にいるのかを見る方がいいと思います。
たとえば、
- かなりしんどそうだね
- それは嫌になるよね
- 今は辞めたい気持ちが強いの?
- 転職したいというより、今の環境がきつい感じ?
- まだ気持ちの整理中って感じかな?
こういう返しの方が、相手は話しやすいことがあります。
要するに、
- 本当にアドバイスが欲しいのか
- ただ聞いてほしいのか
- まだ揺れている途中なのか
を見ないと、答えがズレやすいです。
相手が答えを求めていない時に正論を言うと、
正しいことを言っていても素直に受け取ってもらえません。
それでも「転職した方がいい人」はいる
ここまで書くと、
じゃあ何も言わない方がいいのか、
と思うかもしれません。
でももちろん、
明らかに転職を考えた方がいいケースもあります。
- 心身にかなりきている
- 環境改善の余地がほぼない
- 長くいるほど損耗しそう
- 人間関係や評価構造がかなり厳しい
- すでに我慢で持っているだけ
こういう場合は、
転職を選択肢として真面目に考えた方がいいと思います。
ただ、その場合でも大事なのは、
相手が自分でそこにたどり着けるように話すこと
だと思っています。
答えを押しつけるより、
整理を手伝う方が通りやすいことが多いです。
人は、正しいことを言われても動けるとは限らない
結局のところ、これだと思います。
人は、正しいことを言われたからといって、
すぐ動けるわけではありません。
- 怖い
- 面倒
- 失敗したくない
- 今を捨てたくない
- 自分で決めたくない
- でも誰かに分かってほしい
このあたりが全部混ざっています。
だから、
「転職したい」と言う人に転職を勧めたら否定された、
というのは、ある意味かなり自然です。
人間って、そんなに一直線ではないんですよね。
最後に
人はなぜ、転職したいと言いながら転職を勧められると否定するのか。
自分なりの答えは、
相手が求めているものと、こちらが返しているものがズレているから
です。
相手は
- 共感
- 感情の整理
- しんどさの共有
- まだ揺れている途中の気持ち
を出しているのに、
こちらがいきなり
- 解決策
- 結論
- 正論
を返すと、受け取れない。
しかも転職は、頭で正しさいことが分かっていても、状況変化に恐怖を感じやすい話です。
だから、言われた途端に否定したくなるのもわかります。
愚痴や転職したい発言をそのまま結論として受け取るのではなく、
その言葉の奥にあるものを見る。
そっちの方が、人の話を聞くうえでは大事なのかもしれません。